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2025年民主教育

教育のつどい大阪2025「討論の呼びかけ」「討議の柱」

「教育のつどい大阪2025」 討論のよびかけ

【教育研究活動のスローガン】
〈平和を守り、真実をつらぬく民主教育の確立、
憲法と子どもの権利条約、教育の条理に基づく教育・学校づくりを〉

 

① 憲法と子どもの権利条約、教育の条理に基づく教育をすすめ、学習指導要領の抜本的見直しを求めよう
「いま子どもたちは幸せか?」このことが私たちに鋭く問われています。極限を超えた「つめこみ教育」や小学校英語の早期化と教科化は、「財界がもとめる人材づくり」「一部のエリートづくり」をねらい推し進められてきました。その結果、不登校は過去最多の34万人となっています。多くの子どもの生きづらさや願いに心を寄せ、「次期学習指導要領」「GIGAスクール構想」の抜本的見直しを含んだ大運動をおこし共同の輪を広げましょう。
今こそ、一人ひとりの子どもが人間として尊重され、自分らしく生き、育つ権利を保障することが必要です。その根本にある、憲法と子どもの権利条約、教育の条理に根ざした教育実践を交流しましょう。それらの教訓から引き出されるものを力に変えましょう。

 

② 競争ではなく、学ぶよろこびを大切にする教育を
 「全国学力・学習状況調査」や中学生「チャレンジテスト」、小学生「すくすくウォッチ」などのテスト(行政調査)が、学校の教育課程に大きく影響し、子どもたちも教職員も競争に駆り立てて苦しめています。また2025年度から中学3年生の学力テストの理科がCBT化され、それが今後広がっていく見通しです。国連子どもの権利委員会が継承を鳴らしている「過度に競争的なシステム」が加速されることは、子どもたちの発達を阻害する要因の一つです。
 子どもたちの基礎学力形成をめざす教科教育の実践、子どもの権利条約にもとづく、子どもの意見表明権を保障し自治の力を育む実践、子どもの発達要求や人間的な成長を保障する教育課程づくり、子どもを励ます教育評価づくりについて大いに交流しましょう。

 

③ 子どものリアルな実態によりそった教育実践、教育条件整備について考えよう
 国が軍事費倍増や万博などの大型イベントに莫大な予算をかける一方で、貧困と格差の広がりは後を絶たず、7人に1 人の子どもが貧困の中生活しています。また、高い学費や教育ローンとなっている奨学金が若者たちの希望を奪っています。そして、「教育機会確保法」は、不登校の現状への総括はなく、「教育機会」や「支援」の名の下、いっそう不登校の当事者を苦しめる恐れがあります。今、国民的な世論となっている少人数学級の早期実現など、子どもの成長と発達を保障する教育条件整備・確立の運動を交流し、発展させましょう。
 また、10年以上経過しても遅々として進まない、東日本大震災、原発事故の復興の中で、多くの課題が明らかになりました。大災害や原発事故の教訓を生かした社会や教育の在り方についても、引き続き議論を行うべき重要な課題です。

 

③ 中等教育のあり方について研究をすすめよう
大阪府の公立高校で‟廃校”が続き、この20年あまりで約40校が廃校になり、2024年度の府立高校(全日制)は154校まで減少しました。「中高一貫校」や、高校入試をめぐっての「公立高校の学区撤廃」、中学生「チャレンジテスト」の高校入試内申点利用、3年連続で定員割れしたら統廃合の対象とする「府立学校条例」に基づく「高校つぶし」は、中学生の進路の選択肢を奪い、「狭き門」に向けての受験競争を激化させるものです。また、府の打ち出した「高校無償化」は、いびつな制度設計により私立高校の教育を歪めるなど中等教育をとりまく課題は様々です。これらの問題のねらいを、交流や議論を通じる中で明らかにしましょう。また、高校進学希望者の全員入学など、今後の中等教育のあり方について研究をすすめましょう。

 

⑤ 教職員がいきいきと働ける職場環境をめざして
 教育基本条例の具体化である、「教員評価システム」、「授業アンケート」の押し付けや、「目標管理システム」の徹底など、今教職員に対する管理統制が強化されています。また、「研修記録の管理」は、更なる教員管理の強化へと繋がります。これらの動きを許さず、教職員の教育活動における自主的権限、研修・研究の自由、教育の自主性を守るとりくみについて交流を深めましょう。
 また、53年ぶりの給特法改正が行われ、調整額の引き上げが行われるものの、その内容は社会問題化している「教職員の働き方」を改善するものではありません。また主務教諭の導入や担任手当など給与にメリハリをつけ、それによる分断も心配されます。教職員の働き方について、大いに議論し、「時間短縮」だけではない本当の働き方の改善について語り合い、教育の専門家として働き続けられる職場づくりについて交流しましょう。

 

⑥ 教職員・父母・地域が共同する、参加と共同の教育・学校づくりをすすめよう
 子どもたちの願いや要求、悩みや苦しみに心を通わせ、希望と信頼を育む教育実践のあり方について研究を深めましょう。そして、子どもたちが人間として本当に大切にされ、安心して通え、学ぶ喜びを実感できる教育・学校づくりを進めるために、父母・地域や教職員の悩みや苦労、成果や教訓を交流し、父母・地域・教職員が力合わせ信頼を築く、参加と共同の教育・学校づくりについて交流し研究をすすめましょう。

 

「教育のつどい大阪2025」分科会「討議の柱」

 

国語教育

【討議の柱】
① 文学を文学として読むことの意義をふまえ、教材分析のあり方、多様な指導を交流し、学習を深める。
② 説明文教材で、どのような力を身に付けるか、またそのための授業づくりを交流し、学習を深める。
③ 書くことの意味、読みあうことの意味をおさえ、子ども一人ひとりの課題や思いをどう受け止め、どのように書く力をのばしていくか、交流し、学習を深める。
④国語科の本質に根ざし、かつ子どもの実態に基づいた授業づくりにより、子どもたちの基礎・基本の学力を育てる国語科教育のとりくみを交流する。

 

外国語教育
【討議の柱】

① なぜ、何のために外国語を教え、学ぶのか。
② 学習指導要領や教科書の検討とよい教材とは何かについて。
③ 外国語教育の現状とあり方について。
④ 小学校「外国語」「外国語活動」をどう考え実践していくのか。
⑤ 支援学級の英語の授業はどうあるべきか。
⑥児童・生徒の意欲を引き出す授業づくりと協同学習。
⑦ 映画や音声・ICTなどを活用した授業づくりと自己表現活動で楽しい授業をどうつくるのか。
授業で使ったプリントやテストなどを持ちより、気楽に交流しましょう。

 

社会科教育
【討議の柱】
科学と事実に基づき、地域の主人公としての子どもを育てる社会科教育をすすめます。社会科の学力とは何かをあきらかにし、地域の実態と子どもの発達段階をふまえた実践を研究・討議します。子どもたちの主権者意識をどう育てるかという問題を交流します。
① 学習指導要領の問題点を明らかにし、科学的な認識を育てる社会科授業について交流します。
② 平和と民主主義、人権を基調にした憲法学習のあり方を探ります。
③ 子どもが暮らす地域の様子・歴史の掘り起こしをもとにした実践を研究します。
④ わかる授業や教材のあり方を交流します。
⑤ 若い先生方に、明日からの授業づくりの参考になるような実践の交流・教材の交流を行います。
⑥ 小学校・中学校・高校で使われている教科書の検討を行います。
⑦ 歴史の歪曲の動きに対して批判と検討をすすめます。
⑧ 現代の課題をどのように実践するのかを交流します。

 

算数・数学教育
【討議の柱】

① すべての子どもに学ばせたい算数・数学教育の目標と学習内容を明らかにし、本当の学力を育むための実践を研究、討議する。
② 算数・数学科「学習指導要領」の問題点を明らかにする。
③ 「学び」と「教え」のかかわりを明らかにし、学力テストなどによる「競争主義」に振りまわされることなく、子どもたちがたのしく生き生きと主体的に活躍できる授業づくりについて交流する。
④ 「わかる」をどのように「できる」につなげるのか。理解と習熟のあり方を考える。

 

理科教育
【討議の柱】

① 自然のしくみと自然科学の基本的な概念を明らかにする。そのための教材、実験、授業プランを検討する。
② 自然にかかわる子どもの認識と発達のみちすじを明らかにする。
③ 自然を豊かにとらえるとともに、科学が人間の生活、文化、歴史のなかで果たした役割や課題を明らかにする。
④ 学習指導要領や教科書の問題点を明らかにする。
⑤ 教科指導をゆがめる点数至上主義や「道徳」のおしつけを批判的に考える。

午前中の第1部では、小学校理科の課題を中心に子どもたちにどのような認識をつけていってもらいたいのかということについて集中的に議論する。午後の第2部では やさしくて本質的な実験、実習の交流を中心に子どもたちに提示したい授業プランについて検討したい。最後に総合討論をおこなって討議で明らかになった課題を整理する。このときできれば参加者からも自分たちの工夫や実践について報告してもらう機会ももちたい。

 

 

美術教育
【討議の柱】
美術教育は子どもたちに生きる喜びを与え、豊かな人間性 を育むために必要不可欠な教科です。参加者の授業実践や 子どもたちの作品をもとに以下のことについて学び、考えましょう。

➀子どもたちの実態や発達を考え、生活実感に根ざし た表現、豊かな感性を育む指導。

➁発達保障の観点から手仕事を通し、主体的につくる喜びを味わうことができる指導。

➂ 作品鑑賞を通し、作品との対話の方法や美を感じる喜びを味わうことができる指導。

➃実践する中での悩み事困り事など遠慮なく出し合い交流しましょう。
*参加者の方も作品を持ち寄って下さい。作品を通して語り合いましょう。

 

音楽教育
【討議の柱】
① 子どもたちが明るく生き生きと音楽活動に取り組めるような授業の組み立てをどう考えるか。
② 音楽を通して子どもたちに豊かな心と表現力を育てる教材選択とは。
③ 子どもを取り巻く文化的状況が与える影響について。
④ 「君が代」について、正しく歴史を学習し音楽教育の立場からどのようにとらえたらよいのか考えたい。

 

技術・職業教育
【討議の柱】

(中学)徒のやる気を引き出した実践を持ち寄りましょう。「実情に合わない学習指導要領」「事業時間数が足らない」「多忙で授業の準備ができない」「設備が整っていない」「技術の免許を持った教師が少ない」など日頃のなやみについて話し合いましょう。

(高校)日頃の授業の取組や実践報告を中心に置き、学校の現状や課題、困りごとを共有し、地域社会とのつながりやかかわり方を考え、交流を深めたいと思います。

 

 

家庭科教育

【討議の柱】
① 地域・家庭との連携を深めながら、科学的認識や基本的技能を育てる教育内容を考え合いましょう。
② 主体的な学びへとつながる教材の研究を深めるために、自由に日頃の実践を持ち寄り、交流しましょう。

 

体育・健康・食教育
【討議の柱】
① 教育の条理にもとづく教育をすすめ、「新学習指導要領」の問題点を明らかにする。
② 子どものリアルな実態によりそった教育実践、教育条件整備について考える。
③ 学ぶよろこびを大切にする健康教育について。

 

生活指導・自主的活動
【討議の柱】
① 学級・学年・学校の集団づくりをどうとり組むか。
② 子どもたちの心をどう理解し、どう信頼関係を築いていくか。
③ 子どもの「荒れ」「いじめ」「学級崩壊」などをどうとらえ、どうとり組むか。
④ 「スタンダード」にとらわれない、子どもから出発した集団づくりにどうとり組むか。

 

発達・評価、学力の問題
【討議の柱】
① 学力テストや習熟度別授業などによる競争と切り捨ての教育の問題点を明らかにする。
② 子どもたちの学力実態を明らかにし、課題のある子どもたちを含む子どもたちの学力を高める具体的な実践を交流する。
③ 「主体的・対話的で深い学び」、道徳・外国語の教科化の問題点を明らかにする。
④ 「観点別絶対評価」「評価基準」の交流をし、問題点を明らかにする。

 

障害児教育
【討議の柱】
これまで「権利としての障害児教育」の確立に向けて運動を進めてきたことに確信を持ち、子どもたちや父母の願いを大切にした、全ての障害児や援助を求めている子どもたちの発達を保障する実践や運動について語り合いましょう。また、通常の学校での通常学級の教育条件や高等教育での課題等、真のインクルーシブ教育や合理的配慮のあり方についても論議しましょう。

 

幼保小接続期の教育(今年度実施しません)
【討議の柱】
①子どもの家庭や地域でのくらし、保育所・幼稚園・学校での実態や支援を要する子どもたちの実態を出しあい、子どもをとりまく問題点を明らかにします。
② 「子ども・子育て支援新制度」の実情など出しあい交流するなかで問題点を明らかにしていきましょう。
③ 小学校の基礎学力問題、保育所・幼稚園の統廃合・民営化・預かり保育・延長保育などの問題点を話しあい、父母・地域の人々と手を結び改善するための方向を見出していきましょう。
④ 保育所・幼稚園・子ども園・小学校の接続問題について学びあい、実践的課題を出しながら豊かな連携のあり方をさぐります。

 

思春期・青年期の進路と教育(今年度実施しません)
【討議の柱】
 思春期・青年期の生徒・青年たちのリアルな姿を交流しながら、その成長と発達を支えるとりくみを出しあい、深めましょう。
① 生徒・青年のいまの姿や社会へ働きかけ、自らの人生をきりひらくために懸命に生きる姿を交流しましょう。
② 中・高生の卒業後の進路の保障に向けたとりくみについて、その現状と課題を交流しましょう。
③ 政府・文科省、大阪府市や教育委員会がすすめる「教育改革」が及ぼす影響を明らかにしましょう。
④ 憲法と教育の条理にもとづく教育と教育制度のあり方、学校づくりの道すじを明らかにしましょう。

 

人権と教育
【討議の柱】
① 児童・生徒に確かな学力と生きる希望を育む正しい人権認識を育てる教育の中身を明らかにしましょう。
② 学校に子どもの権利条約を生かし、基本的人権を守り、育てる運動・実践の内容を検討しましょう。

 

ジェンダー平等の教育
【討議の柱】
①子どもたちや父母の要求をもとに、進路、労働、家庭、性に関する課題を出しあい、ジェンダー平等をめざす
実践を交流する。
② 憲法と子どもの権利条約をいかしたジェンダー平等教育の教育課程を研究する。
③ 性教育やジェンダー問題への攻撃の実態を明らかにし、はね返す取り組みを広める。

 

 

平和と国際連帯の教育

【討議の柱】

ウクライナ、ガザの状況に子どもたちは心を傷つけられています。被団協のノーベル平和賞、原水禁大会など「被爆80年」の取り組み、核兵器禁止条約に希望を見出してほしい。高校生などの行動に勇気を得ました。平和を実現するための国際秩序が破壊されようとしている今、平和と国際連帯の教育について語り合いましょう。

 

民主的学校づくり

【討議の柱】

①子どもを主人公にした教育・学校づくりをどうすすめるか
②父母・教職員が協力、共同して安心して楽しく学べる学校をどうつくるか
③自主的・民主的な教育課程づくりをどうすすめるか
④民主的な教職員集団づくりをどうすすめるか
⑤行政等による教育介入に対して、現場からどのようにたたかうか

 

 

父母・地域・住民の共同、教育条件整備の運動
【討議の柱】
①子ども・生徒・保護者の率直な声を出し合いましょう。

②「こんな学校を、こんな教育を望みます。」という願いを出し合い、どう実現していくのかを考えましょう。

③「いのち・くらし・教育を守る」運動をどうつくっていくのか交流し話し合いましょう。

 

 

環境・公害問題と教育

【討議の柱】

① 東日本大震災、福島原発事故をふまえて、原子力利用・廃棄物処理などの実態を明らかにし、環境教育実践を考える。
② 物質・エネルギー循環と地球環境問題について考え、持続可能な社会(サスティナブルソサエティ)への論議を深める。
③ ダイオキシンやアスベスト、PFASなどの汚染状況、ごみ処理問題について知り、教育実践や住民運動の中でのとりくみを話し合う。
④ 学習指導要領と「環境教育」とのかかわりを考え、児童・生徒の環境・公害問題に対する認識や関心を高める授業実践について考える。
⑤ 関西空港・高速道路・ダム建設等の大規模開発の実態を明らかにし、干潟・渚・里山・河川などの保全について考える。
⑥環境問題と連動する気候危機の中でおこる災害と、防災についての教育を考える。

 

 

教育課程・行事づくりと教科書問題

【討議の柱】

学校の教育課程編成にあたって,万博遠足などの校外学習,卒業式などの行事,学校図書館のあり方を含めて,教科外活動のあり方について考えていきましょう。また,地域での行事と学校の関係の中での子どもの成長・発達をどう考えるか,レポート報告をもとに議論していきましょう。高校受験,進路変更等を通して,新春期・青年期の子どもの成長についても議論していきましょう。

 

生活科・総合学習
【討議の柱】
① 子どもと学校の実態を語り合おう。
② 「生活科・総合学習」の課題を明らかにしよう。
③ 私たちの目指す「生活科・総合学習」について検討しよう。

 

登校拒否・不登校・高校中退の克服
【討議の柱】

①登校拒否・不登校の子どもの悩み・苦しみをどう受け止め、どう寄り添い、その成長をどう支援していくのか

②登校拒否・不登校の子どもが、困難を乗り越え、自立していく道すじを明らかにする

③国は、登校拒否・不登校対策として「COCOLOプラン」による不登校支援の外注化を図ろうとしており、登校拒否・不登校についての国や自治体の制度施策にどのような対応が必要か

④登校拒否・不登校の主因である「極度に競争的な」学校を、教職員・保護者・地域・専門機関の協同により、子どもたちを主人公とした学校にどう変えていくか

(2025.10.1)